このサイトについて

病気はとても古いもので、病気について何かが変わったわけではない。変わるのは私たちのほうだ。以前は気づけなかったものを、見分けられるようになっていくのだから。

"Disease is very old and nothing about it has changed. It is we who change, as we learn to recognize what was formerly imperceptible."

Jean-Martin Charcot

19世紀のパリで神経学の発展に大きな影響を与えた医師、Jean-Martin Charcot(ジャン=マルタン・シャルコー)の言葉として、よく引用される一節です。

この言葉はCharcotのものとして医学の論文などで広く引用されていますが、もとになった講義や著作は確認できていません。

この言葉で特に印象に残るのは、私たちの見方が変わることで、それまで気づかなかったものを理解できるようになるという点です。新しい観察方法や実験技術は、それまで見分けられなかった現象を明らかにし、従来の考え方を修正してきました。現在の教科書に書かれている知識も、そうした研究の積み重ねによって形づくられています。

Study channelについて

Study channelは、リハビリテーションに関わる医学・生理学・神経科学と、研究法を学ぶためのサイトです。リハビリテーションに関わる医療専門職と、その分野を学ぶ学生に向けて書いています。

教科書の一行の裏には、発見に至るまでの物語が隠れています。筋が収縮する仕組みも、脳が運動を制御する仕組みも、最初から分かっていたわけではありません。研究者たちの観察や実験によって少しずつ明らかになり、時には、それまで正しいと考えられていた説明が見直されてきました。

Study channelでは、基本的な知識をわかりやすく説明するとともに、その知識がどのように生まれ、現在どこまで明らかになっているのかを紹介しています。知識を覚えるだけでなく、その背景にある研究や発見にも触れることで、リハビリテーションを支える科学を面白く、深く理解できるサイトを目指しています。

記事で大切にしていること

科学の面白さの一つは、それまで見えなかったものが見えるようになることだと思います。たとえば、筋の電気活動を記録する技術が発達すると、外から見ただけでは分からなかった筋の働きを調べられるようになりました。脳の画像技術が進歩すると、症状と脳の病変との関係も、より詳しく検討できるようになりました。観察する方法が変われば、新しい疑問が生まれ、それまでの説明が見直されることもあります。

Study channelでは、こうした科学の発展にも目を向けながら、次の4つの問いを軸に記事を組み立てています。

記事を組み立てる4つの問い

  1. どのような観察や実験が、それを明らかにしたのか
  2. 当時、何が誤解されていたのか
  3. 何が見つかり、考え方がどう変わったのか
  4. いまの臨床は、古い説明の何を正しているのか

どの問いに重きを置くか、どこから話を始めるかは、記事が扱う研究の経緯によって変わります。どの記事でも、初めに要点をまとめています。

研究デザインや統計学も、同じ問いを立てて解説しています。科学的な知識を理解するには、その知識がどのような方法で確かめられたのかを知ることも大切だからです。

情報の扱いについて

記事の執筆にあたっては、教科書に加えて、原著論文や系統的レビュー、学会や公的機関の資料を確認しています。数値や研究の内容は、可能な限りPubMedなどで論文そのものや抄録にあたって確かめ、当時の研究で明らかになったことと、その後の研究によって分かったことを区別するよう心がけています。公開の前には、執筆とは別の工程で、引用した数値や表現が出典と合っているかを確かめています。

本文では、根拠となる研究を著者名と発表年で示し、記事の最後に参考文献をまとめています。また、理解を助けるため、必要に応じて図や表を作成しています。

科学的な知識は、新しい研究によって更新されます。記事の内容についても、必要に応じて見直し、修正しています。

このサイトは学習と情報提供を目的としています。個別の患者さんに対する診断や治療方針を示すものではありません。

著者について

著者

Charcot(シャルコー)

リハビリテーション専門職(博士)。医療系総合大学で教育と研究に携わっています。
著者名は、このページの初めに引用したJean-Martin Charcotに由来します。