引用文献の書き方

研究の進め方


 研究計画書にしろ,論文にしろ,文章中に文献を引用した場合,必ず最後の項に引用文献を記載しなければなりません。引用文献は,書き方に色々な種類があって論文のなかでも記載ミスが多い項目です。ここでは引用文献の書き方について説明します。

引用する文献の選択

 研究をはじめる時には,自分の研究テーマに関連する文献を広く読む必要があります。その研究テーマに関係する研究がどのくらい進んでいて,何が分かっていないのかを知るためです。研究というのは分かっていないことを明らかにすることですから,今までどんな研究が行われてきたのか,可能な限り調べなければなりません。

 たくさん読んだ文献の中で,自分が思い描くストーリーを詳細に説明してくれる,裏付けてくれる文献が引用文献となります。読んだ文献全てが引用文献になるわけではありません。まれに数多く引用して,「こんなに読んだんだぞ」とアピールしてくる(ように感じる)論文がありますが,それに意味はありません。むしろ文章が分かりにくくなっていることが多いです。

引用文献の並べ方

 引用文献の並べ方にはいくつか種類があって,論文が掲載される雑誌によって規定があります。以下に一般的な引用文献の方式について説明します。

番号式(バンクーバー式)

 本文中に文献が引用された順に番号をつけて,その順に引用文献を並べる方法です。本文中に2ヶ所以上で同じ文献を引用した場合は,最初につけた番号をそのまま後に引用した所につけます。この方式は,多くの雑誌で採用されています。
バンクーバー式
本文
 脳卒中患者は〇〇だといわれている1)。また,脳卒中患者の〇〇は,△△だとする報告もある2)

引用文献
例)著者名.論文名.雑誌名.年号;巻号:ページ数
1)Yamada T, Suzuki I, Sasaki M. Stroke is 〇〇. Study channel. 1999;130:661-70.
2)Tanaka S,  Endo M, Kimura T. 〇〇 of Stroke is △△. Study channel. 2007;110:532-63.

姓年式(ハーバード式)

 引用文献を著者のアルファベット順に並べる方法です。同一の著者の文献を2つ以上引用した場合は,年代順に並べます。もし,同じ著者で同じ年数の文献が複数ある場合は,a,b,cの印を年代の後に記入します。本文中の引用箇所には,著者の性と発行年を記載します。番号式に続いて多く雑誌に採用されています。
ハーバード式
本文
 脳卒中患者は〇〇だといわれている(Yamada et al.,1999)。また,脳卒中患者の〇〇は,△△だとする報告もある(Tanaka et al., 2007)。

引用文献
例)著者名.論文名.雑誌名.年号;巻号:ページ数 
Tanaka S,  Endo M, Kimura T. 〇〇 of Stroke is △△. Study channel. 2007;110:532-63.
Yamada T, Suzuki I, Sasaki M. Stroke is 〇〇. Study channel. 1999;130:661-70.

姓年番号式

 番号式と姓年式の中間にあたり,アルファベット順に並べた後に1から番号を振っていきます。本文中の引用箇所にはこの番号を記入します。この方式を採用している雑誌は稀です。


 実際は,研究分野や雑誌によって微妙な違いがあります。研究計画書などは上記のいずれかの方式にならって記載すれば良いですが,論文投稿の場合は投稿する雑誌の投稿規定を熟読して間違いのないように記載して下さい。

著者名の書き方

 日本語では性,名の順で人名を書きますが,欧米では逆の名,性の順になります。引用文献では特殊なルールがあって,欧米の人名も日本語と同じように性,名の順に記載します。

簡略化の仕方

 一般的に引用文献の著者の名称は簡略化して記載します。著者名の性はそのまま記載しますが,名やミドルネームなどは頭文字のみを記載します。例えば,著者名が「山田太郎」の場合,「Yamada T」と記載します。

著者が多い時

 共著者が多い時は3〜4名程度まで記載して,著者名の末尾に「et al.」と記載する雑誌が増えてきています。これも雑誌ごとに規約が異なるので,投稿前に規約を確認して下さい。


雑誌名の省略

 雑誌名は引用する際に省略することが慣例となっています。和文雑誌の場合は,日本医学図書館協会編の「日本自然科学雑誌総覧」や,「日本医学中央雑誌」の収載誌目録の欄に省略名や略記法が載っているので確認して下さい。

 また,欧文雑誌では,Index Medicus中のList of Journals Indexesに省略誌名が載っているので確認して下さい。また,PubMedなどの文献データベースにも,雑誌名が省略して使われているので,これをそのまま引用することも可能です。

まとめ

 研究計画立案時や論文執筆時には,説明に必要な文献を引用しなければなりません。ここでは引用文献の一般的な書き方について説明しました。しかし,引用文献の書き方には,研究分野や雑誌毎に規定があって,かならずしも統一されたものではありません。論文投稿の際は,しっかりとその雑誌の投稿規定を読んで,間違いなく記載して下さい。

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*この記事は,リハビリテーションに関する理解・知識を深めるためのものであり,特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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