オッズ比 odds ratio, OR とは高頻度で研究に用いられる統計的指標の一つです。この記事ではオッズ比の求め方や解釈について説明します。
相対危険度とは
相対危険度 relative risk, RR とは二つの集団の疾病リスクの比のことです。通常、疾病の罹患率または死亡率の比であらわされます。曝露要因と疾病の関連性を示す指標のひとつで、ランダム化比較試験や前向きコホート研究で使われます。
実際の研究では、対象者を以下の表を用いて集計し、その下の式でRRを求めます。
要因への曝露あり | 要因への曝露なし | 合計 | |
疾病あり | a | b | a+b |
疾病なし | c | d | c+d |
合計 | a+c | b+d | a+b+c+d |
相対危険度の解釈
例えば、非喫煙者 (要因への曝露なし) に対する喫煙者 (要因への曝露あり) の肺がん罹患者 (疾病あり) 数を集計したとします。この時、RRが1であれば、非喫煙者と喫煙者で肺がん罹患者は同等であったといえます。
しかし、1より大きければ、喫煙者の方が肺がんに罹患しやすいということになります。1より小さければその逆です。RRの数字は、そのまま当該疾患の罹患率が何倍高いかを意味しています。つまり、この場合、RRが2であれば、喫煙者の肺がん罹患率が非喫煙者の罹患率より2倍高いことを意味します。
まとめ
一見するとオッズ比 (OR) と同じようにもみえますが、ORは症例群と対照群の比較であるのに対して、RRは曝露群と非曝露群の比較を行っています。
実際には、RRの95%信頼区間を求め、暴露群と非暴露群に差があるかを検討する必要があります。