この記事では,てこが釣り合っている状態 (平衡状態) と力学的有利性とは何かについて簡単に説明します。
てこの平衡状態
支点を A ,力点を F ,荷重点を R ,F にかかる力を ƒ ,R にかかる力を r にしたとき,
AF・ƒ = AR・r
が成立すれば,このてこは釣り合っている状態にあります。これをてこの平衡状態といいます。
てこの力学的有利性 mechanical advantage, MA
MA = r / ƒ = AF / AR で,
MA > 1 であると,力学的に有利であると言えます。
第1のてこ,第2のてこではAF > ARが起こりえますが,第3のてこではAF < ARとなり,力学的有利性からみれば第3のてこは不利だといえます。しかし,人体では第3のてこが多く使われています。この理由として,力学的有利性では不利でも,力点の変動によって速度や荷重点の移動 (変位) を生み出すことには有利に働らくためだと考えられます( てこの種類と人体での作用例)。