驚愕「論文の実験結果の70%が再現不能!」とのこと…

 信じられないニュースが飛び込んできましたね.医学生物学分野の論文は,結果を再現できないことが多いというのです…しかも7割もの研究がです.


 確かに再現性は当たり前に確認されているものとして論文に記載されていなくても査読時に黙認されることが多いですよね.また,臨床研究と違って同じ様なテーマで研究されることが少ない傾向にもあります.同じことを調べても新規性がないとされて論文に掲載されないからです.最悪な行動ですが,他の研究室が再現できないように,研究方法を明確に明かさない研究者もいると聞いたこともあります.

 こういう状況は,研究競争の弊害でしょうか.一番最初に論文を投稿した研究者が最初にその事実を明らかにしたことになるので,研究者はできるだけ早く研究発表を行おうとします.そうなれば徹底的な検証を行わずに発表する場合もあるでしょう.さらに,研究費も論文数に比例して獲得できる確率や額が変化するので,次の研究を続けるためには,今行ってる研究を早く論文にしなくてはならないのです.

 どういう背景があっても,この事実は基礎医学の根幹を揺るがす大問題です…経過を見守りましょう.