介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインでは,地域高齢者のニーズを円滑に聴取するために高齢者のニーズをアセスメントすることを推奨しています。ここでは,アセスメントを補助するニーズ把握表について説明します。
介護予防・日常生活総合事業のガイドラインとは
平成27年6月に「介護予防・日常生活支援総合事業のガイドライン」が作成されました。これは,「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整
備等に関する法律」(平成 26 年法律第 83 号)の施行に伴い作成されたもので,介護予防・日常生活支援総合事業の基本的考え方,事務処理手順及び様式例等が記載されています。リハビリテーション関連加算に直接言及するものではありませんが,ケアマネジメントにリハビリテーション専門職が積極的に関わる必要性が繰り返し述べられています。
ニーズ把握表(興味・関心チェックシート)
介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインによると,介護予防ケアマネージメントにおいて,地域高齢者のニーズを聞き出すことが好ましいとされています。また,厚生労働省より3月に交付された「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」や「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」においても,リハビリテーションマネジメントでリハビリテーション計画書を作成する際や通所介護等で個別機能訓練加算を算定する際に必要なアセスメントとして興味・関心チェックシートが挙げられています。
なぜ興味・関心チェックシートが必要なのか
高齢者は生活意欲が低下していると,具体的な目標を表明しないことがあります。このような高齢者の隠し持つ興味や関心を引き出すツールとして興味・関心チェックシートの活用が期待されています。実際に,介護保険下のリハビリテーションでは,患者やそのご家族から具体的な目標を聞き出せないまま,セラピストが導いた機能的(あるいは能力的)向上を目標にしていることも多くあります。このように利用者の生活に基づかないリハビリテーション介入を無くしていくためにも,興味や関心をツールを用いてチェックしていく必要があるのです。
まとめ
高齢者のニーズを把握することは,その人らしさをサポートする生活圏内のリハビリテーションで大切な観点になります。今回,ケアマネジメントおよびリハビリテーションマネジメントで使用が推奨されている興味・関心チェックシートは,上手く自分の興味や関心を表出できない高齢者のニーズを引き出すための有用なツールとなることが期待されています。厚生労働省からその様式はだされていますが(上記画像参照),使い勝手を求めて改変をすることも可能だと思います。どのようなツールを用いても,高齢者のニーズを正しく把握することが大切です。
評価の特徴や方法(評価指標一覧)
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