体幹の関節可動域測定(評価)


 体幹(頚部・胸部・腰部)の可動域測定について参考角度や基本軸・移動軸について振り返りましょう。

目次

  1. 頚部の可動域測定
  2. 胸腰部の関節可動域測定
  3. 体前屈測定(おまけ)
  4. コメント

頚部の関節可動域測定

運動方向
参考角度
基本軸
移動軸
注意点
屈曲
60°
肩峰を通る床への垂直線 外耳孔と頭頂を結ぶ線 頭部・体幹側面で測定.
原則として腰掛け座位.
伸展
50°
回旋
60°
(左右)
両側の肩峰を結ぶ線への垂直線 鼻梁と後頭結節を結ぶ線 腰掛け座位 .
側屈
50°
(左右)
第7頚椎棘突起と第1仙椎の棘突起を結ぶ線 頭頂と第7頚椎棘突起を結ぶ線 体幹背面で測定.
腰掛け座位.


胸腰部の関節可動域測定

運動方向
参考角度
基本軸
移動軸
注意点
屈曲
(前屈)
45°
仙骨後面 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線 体幹側面で測定.
立位,腰掛け座位,側臥位.
股関節の動きが入らないようにする.
伸展
(後屈)
30°
回旋
40°
両側の後上腸骨棘を結ぶ線 両側の肩峰を結ぶ線 座位で骨盤を固定する.
40°
側屈
50°
ヤコビー線の中心にたてた垂直線 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線 体幹の背面で測定.
腰掛け座位または立位.
50°


体前屈測定(おまけ)

運動方向
参考角度
基本軸
移動軸
注意点
屈曲
-
最大屈曲は、指先と床との間(㎝)で表示する
距離で計測する別法.



コメント

 参考角度は一般的な平均値なので,例え障害なくとも全ての患者さんに当てはまらないことに注意です。体幹は複合関節での可動域測定となるため,誤差が多くなります。適切な固定を行い,出来るかぎり信頼できる計測をしましょう。関節可動域は基本の基本です.しっかりと復習をしておきましょう。

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