比較臨床試験 controlled clinical trial とは臨床研究方法の一つです。準ランダム化比較試験,非ランダム化試験とも呼ばれます。本邦でもっとも多く行われている比較試験だと思います。ランダム化比較試験には及びませんが,エビデンスレベルはそこそこ高く位置づけられており,有用な研究方法であると言えます。以下にその特徴として方法と,利点と問題点をまとめました。
方法
介入群と対照群の割付を,無作為割付を乱数を用いないで,コイン投げ,くじ引き,曜日,誕生日,カルテ番号,交互などの方法で行います。その後,介入群と対照群で特定の変数を比較します。
利点と問題点
利点
倫理的な問題を起こしにくいのがこのデザインの利点です。介入する群と介入しない群 (対照群) をランダムに分けるということは,倫理的な問題が生じます。患者さんが最新の治療法を試したくても,ランダムに介入しない群に割り振られた場合,患者さんの意思や希望を尊重していないということになります。
問題点 (欠点)
一方でこうした方法では,両群の背景因子のバランスが崩れる可能性があり,選択バイアスが入りやすいので,無作為に割付したもの (ランダム化比較試験) よりエビデンスレベルが低くなります。
コメント
医療者側としてはランダム化比較試験で成果がでた方が患者さんのためになると思えるかもしれません。一方で,患者さんとしては可能な限り最新の治療を受けたいと望んでいる方がいるでしょう。こうしジレンマのなかで医学研究を進めなくてはなりません。
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