Charcot(@StudyCH)です。
筋線維には、収縮が速かったり遅かったり、疲れやすかったり疲れにくかったり、色が赤かったり白かったりするものがあります。
色の違いはミオグロビン量によってもたらされますが(ミオグロビン量が多いと赤い)、これは組織化学的なもので生理的機能とは必ずしも一致しないようです。
また、収縮が速いか遅いかは、その筋を支配している運動神経によって決まると言えます。
ここでは筋線維の様々な分類について説明します。
組織化学的な性質、代謝や機能の差による分類
type I 線維
【特徴】
- 細い
- 収縮時間が長い
- ミトコンドリア酵素活性が高い
- ホスホリラーゼ (リン酸基を有機受容体に転換する酵素) 活性が低い
- 脂肪顆粒を多く含む
その作用から、遅筋 (slow muscle, sluggish muscle, tonic muscle)、その色から、赤筋 (red muscle) とも呼ばれます。
type II a 線維
【特徴】
- 太い
- 収縮時間が短い
- ミトコンドリア酵素活性が低い
- ホリホラーゼ活性が高い
- 脂肪顆粒が少ない
その作用から、速筋 (fast muscle, quick muscle, phasic muscle)、その色から、白筋 (white muscle) とも呼ばれます。
type II b 線維
【特徴】
- type I とII a 線維との中間
単収縮の性質および代謝の相違による分類
SO slow twitch oxidative
- 単収縮の速度が遅く,疲労しにくい
- ミトコンドリア量,ミオグロビン量 (筋肉内の酸素運搬蛋白) が多い
- ATPの供給は酸化的リン酸化による
FG fast twitch glycolytic
- 単収縮の速度が速く,疲労し易い
- ミトコンドリア量,ミオグロビン量が少ない
- ATPの供給は解糖系による
FOG fast twitch oxidative glycolytic
- 単収縮の速度が速く,疲労性は中等度
- ミトコンドリア量,ミオグロビン量が多い
- ATPの供給は酸化的リン酸化による
- SOとFG線維の中間的な性質を有する
まとめ
筋線維には組織・機能・代謝など様々な分類があります。
人は遺伝的にこの構成が異なっており、そのため得意な運動種目に個人差が生じます。
筋線維は運動神経とセットになっており、伝導速度の速い運動神経の支配する筋線維は収縮も早く行われます。
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