Charcot(@StudyCH)です。
相関係数は2つの変数の直線的な関係性をみたいときに使われます。相関係数にはいくつかの種類があって、今回ご紹介する偏相関係数はそのうちの一つです。ここでは偏相関係数の特徴や使用方法について、SPSSでの実践例を含めてわかりやすく説明します。
どんな時にこの検定を使うか
集めたデータのある変数とある変数の直線関係を他の変数の影響を取り除いて知りたい場合にこの検定を使います。ある変数とある変数に相関関係があっても、他の変数の影響を受けた、見かけ上の相関関係である可能性があります(これを擬似相関といいます。下図参照)。擬似相関が考えられる場合は、影響を与えている変数の影響を取り除かなければなりません。
データの尺度や分布
正規分布に従い、尺度水準が比率か間隔尺度のデータ(例外として順序尺度のデータを用いることもあります)を用いることができます。同じ集団の(対応のある)2変数以上のデータである必要があります。正規分布を仮定する検定であるため、パラメトリック検定に含まれます。
検定の指標
相関係数と、相関係数の有意性(p値)を用います。相関係数の解釈は目安として以下のものがあります。| r | は相関係数の絶対値です。
- | r | = 1.0 〜 0.7:かなり強い相関がある
- | r | = 0.7 〜 0.4:強い相関がある
- | r | = 0.4 〜 0.2:やや相関がある
- | r | = 0.2 〜 0.0:ほぼ相関がない
実際の使い方(SPSSでの実践例)
B市A施設の男性職員の体重、中性脂肪、身長のデータが手元にあるとします。体重と中性脂肪に直線的な関係性があるか身長の影響を取り除いて相関係数を求めてみましょう。
- データをSPSSに読み込みます。この時、体重、中性脂肪、身長のデータを3列に並べて下さい。
- メニューの「分析 → 相関 (C) → 偏相関 (R)... を選択します(下図)。
- 「体重」と「中性脂肪」を「↪」で変数に、「身長」を「↪」で制御変数(影響を除外したい変数)に移動させて下さい(下図①、②)。
- 「有意差検定」 の両側 (T) にチェックします(下図③)。
- 「OK」ボタンを押せば検定が開始します(下図④)。
- 結果のダイアログがでたら「相関係数」、「有意確率(両側)」で、p < 0.05(あるいは < 0.01)を満たしているかを確認します(下図)。
今回の結果だと相関係数が「.378」で、有意確率が「.000」なので p < 0.01 を満たしていますね。B市A施設の男性職員の体重と中性脂肪の間には身長の影響を除いても有意にやや相関があると結論できます。
まとめ
偏相関係数は、正規分布に従がう2つの変数間の直線的な関係の強さを、他の変数の影響を除いて知りたい時に使用します。3つの変数間で擬似相関が考えられる場合は積極的に使用して下さい。
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