母と子とオキシトシン…と私

こんにちはCharcot(@StudyCH)です。


子供が生まれて半年近くが経ちました。親となってからはできるかぎり子育てに加わりたいと思っていましたし、何よりも優先して行動してきたと思っています。


しかし、妻とは子育てをめぐり時に言い争いになることも…。色々と調べてみると「オキシトシン」というホルモンが原因となっているようでした。これは父親と子育てとオキシトシンをめぐる家族のお話しです。


オキシトシンとは

オキシトシンは視床下部で合成される出産にかかわるホルモンの一種で、子宮を収縮させる作用があります。陣痛を促進させる薬剤としても使われているホルモンです。その一方で、 オキシトシンは脳にも神経伝達物質として作用して、人の行動や判断を変化させることが分かっています。

例えば、オキシトシンを鼻にスプレーされるだけで、目の前の他人の言うことを信じてしまい、どのような要求も聞き入れてしまうようです(Kosfeld M、Nature 2005)。しばらくしてオキシトシンの効力が切れると、我に返って要求に応じたことを不思議に思うそうです。これだけ聞くと犯罪に使われそうで怖いですね。

しかし、この作用は子育てにとても重要で、出産の際にオキシトシンを大量に分泌する母親は、自ら生んだ赤ちゃんへの愛情がオキシトシンによって著しく強化されるのだそうです。オキシトシンで強化された母の愛情は、この先にどのようなことがあろうとも子ども守る盾と(時に鉾にも)なるのでしょう。

オキシトシンは授乳中にも分泌されて、常に母親の子どもへの愛情を強化し続けます。残念なことに子煩悩を自負する私の愛情であっても、どうやらオキシトシンで強化された母親のそれを上回ることは難しいようです。

母と子の愛情の輪

オキシトシンの作用については諸説あるようですが、相手への愛情を強化して信頼関係を結ぶ作用がある一方で、危険性のありそうな人、自分の味方ではない人に対して攻撃的になる作用もあるそうです。

つまりオキシトシンは、母親にとってはわが子や味方となる親族をより深く愛し、(この「愛情の輪」ともいうべき領域の外にいる)わが子に危害を加える可能性のある相手を排除するように働くということです。


世の父親にとって、仕事と両立しながらこの愛情の輪の内側に入ることが最も優先される使命なのでしょう。しかし、父親の諸先輩方も必ずしも子育てに興味がなくて輪の外に出されたわけではありません(中には仕事人間で家庭をないがしろにした方もいるとは思いますが…)。父親が母親と子の「愛情の輪」に入る秘訣はあるのでしょうか。

愛情の輪の内側に入る

オキシトシンについて学んでいくことで、私の中で一つのひらめきが産まれました。子育てに協力的な(つまり子に害を及ぼす対象ではない)父親でも愛情の輪の内側に入れてもらえない例があるのであれば、もしかすると妻と子の愛情の輪の内側に入るために必要なことは父親と子どもの良好な関係ではなく、また別の要因が関与しているのではないだろうかと。

もう少し「オキシトシン」について調べていくと、このホルモンは恋愛においても重要な役割を担っていることが分かりました。どちらも相手に対して盲目になり強力な信頼関係を築くことを考えると、確かに子育てと恋愛は似ているようにも思えます。

また、見つめあったり、肌と肌の触れあったり(スキンシップ)した時に放出されることも分かっています。恋愛でも子育てでも愛情が高まると相手に触りたくなりますが、これにより更にオキシトシンが放出されるのです。

ここまで伝えれば読み手の皆様ももうお気づきかと思います。私は妻と子の愛情の輪に父親が加わる最良の方法は、妻とオキシトシンで強固に結ばれることだと考えました。いや、そもそも私たちはオキシトシンで結ばれていたのです。出産で消えかけた絆をもう一度、取り戻すことが大切だと気づきました。

大切なことに気づいてから

さて、大切な気づきを得てからは子育てに加わるのは当然のこととして、「妻のヘルプには迅速にこたえる」、「タイミングをみてスキンシップを図る」ことを意識的に行いました。

仕事が忙しい日もヘルプが来たときは上司につたえ在宅ワークで対応し、子どもを寝かしつけた後はできる限りスキンシップを図りました。その結果、今のところ妻と子の愛情の輪の内側に入れているようです。

この状況がいつまで続くかわかりませんし、そのうち愛情の輪の外側に放り出される日が来るかもしれません。しかし父親として大切なことが妻にも子にも目を向けることなのだと意識して、これからも家族の愛情の輪の中心になれるように頑張りたいと考えています。

まとめ

これで、オキシトシンが織りなした一つの家族の物語は終わりになります。ブログだと思って随分と盛って話しをしましたので、良い父親のように伝わったかもしれません。

実際は仕事が忙しくてイライラしたり、家族に対して心無い言葉を放ってしまうこともありました。家事も苦手でおっくうになり手伝わないことも多かったです。

そんな私でも大切なことに気づきで意識的に努力することで関係を向上させることができた、それくらいにこの物語を理解していただければ幸いです。

話しがそれますが、妻からのヘルプで仕事を抜ける際に応援してくれる先輩がいました。彼女は二児の母親で、私の仕事を代わりに肩代わりしてくれる際に私にこういうのです、「お子さんのためというよりは、奥さんのために急いで帰ってあげてください」と。

もしかすると世の中の女性(母)は家庭を愛情の輪で包み込むための答えを当然のように知っているのかもしれませんね。

それでは皆さんの子育てが上手くいくことを願って。

Charcot(@StudyCH)でした。All the best